くらき光と色展それぞれの黒の表現
  
  200891()912()
  11001700  土・日休廊

香川画廊では9月1日()から12()まで、くらき光と色展―それぞれの黒の表現―を開催いたします。この展覧会では、日本洋画の基礎を築き上げた作家達による黒の表現をご覧いただきます。

 夭折の画家、林重義は(18961944)神戸生まれ大阪育ちで、京都の鹿子木孟郎に師事した後、1928年同門の小林和作らと共にフランスに渡ります。1930年に帰国した林は、神戸に住み制作活動を始めます。今回展示の“桟敷にて・In the Dress Circle”は、帰国後の19309月に開催された、第17回二科展に出品した20点の内の1点です。1934年頃から純日本調の主題作品へと変わっていく過渡期の作品で、暗闇の中に浮かび上がる、演劇に興じる西洋婦人たちの表情がいきいきと描かれています。

同じく40代の若さでこの世を去った野口謙蔵(19011944)は、滋賀県蒲生郡櫻川村(現東近江市)生まれで、現東京芸大・西洋画科を卒業後、終生郷里で制作活動を続けます。日本画も学び、“日本的洋画”と言われる独自の画風を確立しました。ほとんどが郷里の風景や風物が題材で、西洋の近代美術に鋭い視点を向けつつ、東洋的精神性を失わなかった画家です。今回展示の“暮れる・6号”は、暮れゆく田畑が、私達日本人の心に沁み入るどこか懐かしい作品です。

日本におけるモダニズム絵画の先駆者的存在である山田正亮(1930)の作品(Work B-181)は、1958年に製作されました。山田は、キャンバスの中に濃く細い色帯で強調されたいくつかのキャンバスを設け、その一つ一つを絵として描いてゆき、最終的に一つの絵として全体を得ようとしています。物体と意味、形式と内容が一体化した作品は、現代においてもその新鮮さを欠く事のない作品です。

 その他、中川紀元 10 裸婦 1920年作、田辺至 30 裸婦 1933年作、ミズテツオ 水彩 6 人物 1977年作などを展示いたします。

 全く異なる時代の画家達による光と影の表現、巧みな黒の表現をぜひご高覧下さい。




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